マンガの
(武林風)描き方
その6 -2
見るのと、
描く(創る)の
ギャップ

恥も、描く

頭のなかで、漠然と描いているだけでは、実はいつまでたっても
形にはなりません。
むしろ、時間がたてばたつほど、そのときの、きっかけとなった感動が
うすれてきてしまって、
あるいは、そのとき「熱くなった自分の感受性」自体が、ちゃんちゃら可笑しく
なってしまったりして、
マンガにするはおろか、思い出すことさえ恥ずかしくなっちゃったり
するもんです。
で、これは、私が思うに
非常に「もったいない」ことなんです!
私は思い付いたこと、他の作品から発想したことなどを、
よくメモに描いて、その時のネタ(あるいはイメージシーン)などを
残そうとしてはいますが、
それにしたって、かなりコピー劣化した考えしか残せないようです。
他の作品からの発想の場合は、その作品タイトルを、そのシーンを
メモることで、なんとかなりますが、
それにしても、後になって見返した時に、その時と同じような「熱い感情」は
再現できないのは、かなり悔しいです。
マンガにかぎらず、「描きのこす、書きのこす」ことは、
後の自分にとって、恥ずかしいなんて、あったりまえのことなんです。

だけどね、
プロアマに関係なく、趣味仕事に関係なく、
読んで読ませて、なんらかの感情を伝達することができるとしたら、
その「(後の自分にとって)恥ずかしいまでの熱情」しか、
ないんじゃないかな、と考えていますから。

だから、コンテ、ネーム
そんなことを言っても、
描くのって難しいのに、どうしたらいいんだ・・・と言う場合に、
趣味で描く場合でも、コンテやプロットから始めることをおすすめします。
(コンテってそもそも、そのための段階なんです。)
マンガを描くうえで、ネームが一番大切だと言われるのも、
実はネーム自体が、まんま「創る」作業なんだからと言って過言では
ないからです。
ページ数をあわせたり、
「楽しいお絵描き」の前の、なんかおもしろくない作業
というわけではないのです。
難しいことは言いません。
一番描きたいところ、
一番おもろいとこから書き出せばいいんじゃないかな?
必要なキャラは、おのずと、後からもちあがってくるわけだし。
クライマックスから、派生して、肉付けする作り方というのも、
わりとフツーなんだと思います。
第一、一番描きたいところから、話創りを始めれば、
一番言いたいことが、最高のテンションで語れることになるわけです。
当然、話の流れで、「こんなはずじゃなかった」クライマックスになることも
避けられるわけですし。
本来コンテやネームって、
しょっぱなに、自由自在に描くべきものなんです。
だから極論を吐けば、
自分の頭の中にしっかりと出来あがってるシーンについては、
コマわりするだけで、十分。
絵を入れる必要もないんです。
それよりも、自分の「思い」の熱いうちに、描ききることに
こだわってください。
せめて、一番描きたいシーンだけでも。

必要以上にコンテの完成度にこだわってしまうと、
それだけで疲れてしまって、あるいは満足してしまって、
「コンテの直し意見」に耳をかせなくなってしまいますし、
自らも、これをさらに原稿にする、という行為に、
なかなか踏み出せなくなってしまいがちになったりしますから。
(ああ、これも、自分の反省文になっちゃってるなぁ・・・苦笑)

つまり
マンガを読みまくって、マンガにどっぷりの世代にとって、
実はマンガを(自分で)描くということは、
そんなに難しいことではないんです。
マンガ表現の文法(これが、実はかなり複雑だと思うんですが)などは、
もう既に、そなわってる方ばかりでしょうから。
(世代が違うと、マンガを読むことさえ、難しい方々もいらっしゃいますからね)
まず、
おいしいトコロから描きだす。
どう?
描いてみたくなりませんか?(笑)

(1999/3/15)