製作ノート

闘神伝(少年エース連載)


たぶん誤解されている方もいらっしゃるかと思いますが、

念のため、“武林は特にゲームマンガ家”というわけではありません。 

まぁ、今まで、特に連載の仕事で、「シルヴァサーガ」(FC)「ヴァリス」(PCE)「アルバート・オデッセイ」「同−2」(SFC)そしてこの「闘神伝」(PS)と、何本もゲームものをやってはいますけど、それは現在のマンガ事情が、ゲームを抜きに語れないという部分がかなりあり、武林としてもそれを否定するつもりはないからです。(否定してたら仕事が減る(笑)。) 

もちろんゲーム好きではありますし、N64以外のメジャー機でゲームを楽しみますが、決して達人ではありません。(マンガ家には達人が多いんですが)時間がとれない事もありますが、先天的に瞬時のコマンド入力とかにむいてないのでしょう。 

で、「闘神伝(マンガ)」ですが、エース本誌を読んだ方なら御存知だと思いますが、95年8月号(だったかな?)に読み切り40Pという形で始まりました。当時やはり同じ角川書店の勝スーパーファミコン誌で連載をしていたものが終わり、担当氏がエースに移ったのと同時に描く機会がありました。 

それまで、武林にとって、人気のあるゲームのマンガ化は、できるなら遠慮したいという考えがあり、少々迷ったのを覚えてます。なぜなら、ゲームにいれこんでるファンの思い込みには、かなり深いものがあるだろうし、そのため自分のイメージと違うとか、自分の好きなキャラの出番が少ない(あるいは無い)等、バッシングが想像できるからです。(実際、そういう反応ありました) また、仮に、いい意味での反応があったとして、果たしてこれは自分の作品に対してなのか、素材のゲームがマンガ化されれば何でもOKなのか、などという疑問も無かったわけではありません。 特に闘神のキャラデザことぶき氏(未だ面識ありませんが)の絵の魅力と人気はかなりのものだと認識していますし、武林もことぶきキャラが気に入ってます。だからこそ余計に氏の絵にひきずられないよう、自分の絵で描くよう、特に連載開始の頃なんかは必死で努力していました。 

幸いな事に、読み切りの序伝1話、そしてエース増刊で序伝2話がそこそこ好評を得る事が出来、(序伝2話の作画時にはもう決定していたんですが)本誌に連載するに至りました。前記のような理由があったにもかかわらず、この件を引き受けたのには次のような思いがあったからです。 

「闘神伝」の攻略本等にも載っていますが、かなり混み入った舞台背景が設定されていますが、格ゲーの例にもれず、本筋となる“お話”が無いのです。当然“お話”にあたる部分はゲームのプレイであり、そのためプレイヤー次第で何通りもの勝ち抜きざま、つまり“お話”が展開されるからだと思います。だとしたら、自分がこの作品を描くにあたって、プレイヤーがばく然と抱いてるストーリィイメージを、もしくは「闘神」を全く知らない読者に、武林の創る本筋の魅力で、果たして満足させる、面白がらせる事が出来るか、を試してみたくなりました。短編でのパロディ的作品では受ける気は無かったと思いますが、はじめから1000ページ前後の長編(武林にとっては)で、しかも少年マンガらしくというオファーに武林もがぜんやる気が出ました。 現在もタカラさん側や編集部にかなり迷惑をかけたり、譲歩してもらって(いると思いますが)、武林の思うように、特に「闘神伝」の「本伝」を意識して、お話創りをさせてもらってますが、読み心地はいかがなもんでしょう。もうすぐ完結(この文を書いている時点で、ラスト2回前までのコンテが上がっています)ですが、今後の作品創りやマンガ家活動の糧となるよう、できるだけ多くの御意見をお聞かせ願えたらと思っています。 

エース付でファンレターをいただいてる内に、多くの熱狂的な闘神カルトファンの方からの御要望等ありますが、やはり武林としては一般的な少年マンガを大前提に置いてプレゼンする気でいますから、そこの処は御理解下さい。同人ネタっぽいものはできるわけないでしょう。 先日、NORAの新年会で松本久志先生と知りあいました。氏も以前にソニーマガジンで「闘神伝」マンガ1冊分を描かれてたんですが、2人でその大変さをなぐさめ合ってしまいました。不平不満も少し・・・ね。だいたいそんなもんですよ、正直なとこは・・・ね。


「闘神伝」について一部質問があった「四天王のもう一人」についてですが、タカラサイドの設定ではクピードーという ことぶき氏 デザインのキャラがあります。ところで、武林のまんがではこれを登場させてません。 

これは、著作権の問題がおおいにからんでいます。 

クピードーは"セガサターン"版の(別)闘神ワールドのキャラで、武林のからんでいるのは、"ソニープレイステーション"版の闘神ワールドということです。 また、設定としてもクピードーは、ショウとのからみ、マスターの姉という立場等、武林のストーリーに矛盾する部分も多く、そこはタカラサイドのサターンとプレステでは別世界のものであるという言い訳を使わせてもらうことにしました。 

ですから武林のマンガ内では四天王のもう一人は「いるだろうが出てこない」という苦しい立場をとらざるをえないんです。