「とっておきMAXION」が、掲載雑誌の休刊により、中断せざるをえなくなった事は、皆さんにはもうご存知の事と思います。
それから一ヶ月半が過ぎる現在まで、お便りやこのHPの掲示板書き込みなどで、いくつもの「残念だ」「続きを待っている」「必ず再開を」というお声が寄せられていて、描いている者としては、心苦しいながらも、これほどありがたいことはありません。
さて、今回ここで、改まって書いておこうと思ったのは、そのお声のなかに、いくつかの「すぐにも続きを」「同人誌で」「HPでの連載を」というものがあったんですが、それについて武林なりに、十分悩んだ上での考えをきちんと
お伝えせねば、ということなんです。
物語の今後の展開は、すでに途中での終了ができないくらいに、出来上がっっていると言っております。だったら、すぐにでも読みたいというのは、私にもわかりますし、私が読者ならたぶん同じようなことを申しているでしょう。
まず、結論から申しますと、同人誌及びHPでの掲載は、見送りたいと考えています。それをやる上での、いろいろな問題を考えたところ、かなり難しい、あるいは無理な点が多すぎると判断したからです。
まず、「MAXION」は、私としては、プロの作品であり、それにこだわってるということ。
マンガを描くということが、好きでしょうがない私ではありますが、それを生業にしてるという事もまた、こだわっているんです。
作品を描くことに対しての報酬が、どうやって得られるだろうか。
果たして、それは正当な報酬となるのだろうか。
自分は描き手ではあるが、そういうマネージメントにおいては、ずぶの素人ではないか。
・・・という事が、正直なところ、まず頭に浮かびました。
さらに、もし仮にそれらの事がクリアーできたとして、次のような問題があります。
冬からの新連載を含めて、進行中の連載が2本。それを抱えた上で、「MAXION」のコンスタント・プレゼンが可能なのかどうか。
担当編集もいなくて、事実上の〆切もノルマもないという環境で、果たしておもしろさにこだわった作品創りが続けられるのかどうか。
私ももう、ちょっとやそっとの経験を積んできているつもりなんですが、それにしても、いや、それだからこそ、自由に描き進められる(自発的に描き続けなくてはならない)環境というものが、どれほど危険なものであろうか、察しがつきます。
質も量も、妥協の産物になりかねませんし、第一やす請け合いして、終わらせるまでの自信が、はっきり言えば持てません。まぁ、これはプロ作品としてのこだわりに通ずることなんですが。
それに、残りの物語を(現在の予想では)最低800Pぐらいの物量が必要と考えているものですから、HPでの展開の可能性、同人誌での可能性を、その物量面でのキャパだけをみても、かなり無茶なものではないでしょうか。
50Pの同人誌を16冊(あるいは100Pでも8冊)以上。そのコンスタントなリリースははっきり言って、不可能なのではないかと・・・。
では、この「広げた風呂敷を、どう包むつもり」なのかという事についての考えなんですが、武林としては次のように考えています。
商業誌連載作品が、その発表の畑を移しての再開は、そのデメリットが大きすぎて、はっきり言えば無理なことであろう。やはり、どんな形にせよ、商業誌の場でないとならないのではないか。
学研がマンガ・メディアから撤退したのは、もうどうしようもない事実であり、そこに活路を見出す(新雑誌の立ち上げを期待する・描き下ろし単行本を交渉する)ことは、不可能であるということ。
ということは、他社でのプレゼンを画策するより他にないというわけで、そのためには、武林が十分商売になる漫画家であるということ。過去の作品ごと移籍させるだけの商品価値がある漫画家であり続けること、が重要になってくるのではないかと。
つまり、今そしてこれからやるであろう、他の仕事において、そこそこ、どころではない評価を得られるようでなければ、誰も他社で既に800Pも中途展開してある作品の今後などに、期待を抱いてはもらえないだろう、ということです。
だから、今のプロ仕事において、全力投球はもとより、それにも増して「結果」が求められるわけです。
以上のように、考えています。
読者の方々に、納得していただける形で、また自分自身でも万全の形で、最善の形で、続きをプレゼンできるように、努力していくつもりです。
ご意見等ございましたら、メール(基本的に非公開です)あるいは掲示板の書き込みなどでお寄せくださると、ありがたいです。
(1998/9/13・記)